理想の男~Magic of Love~
やっぱり、私はここにこない方がよかった…。

彼も何だと言いたそうに首を傾げている。

私のバカ!

言い訳も口実も何も考えなかったこと、何も出てこない自分を責めた。

「今すぐ帰ってくれ!」

私の後ろから怒鳴り声が聞こえた。

ほら、言われた!

怒られちゃったじゃない!

「そんな言い方はないじゃないか!」

…えっ?

私に言ったんじゃないの?

視線を向けると、藤と蘭さんがいた。

蘭さんはこの前見た時と同じスーツ姿だった。

…あれ?

着ているスーツは女ものではなく、男ものだ。

どこからどう見ても、男もののスーツだ。
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