理想の男~Magic of Love~
さすが高級だと、私は思った。

座り心地がとてもいい。

私がソファーに座ったことを確認すると、
「何から話した方がいい?」

藤が聞いてきた。

「――名前…」

私は藤に初めて会った時に思ったことを最初の質問に出した。

「んっ?」

藤が首を傾げる。

「その…“藤”って言うのは、本名なんですか?」

我ながら、質問の仕方が幼稚だ。

そんな私の幼稚な質問に、
「俺はウソが苦手だ。

ましてや好きな女に偽名は言わない」

藤が笑いながら言った。

「じゃあ…」

本名なんですかと言いかけた私に、
「不知火藤(シラヌイフジ)、俺の名前だ」

藤が言った。
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