理想の男~Magic of Love~
「『不知火モーターズ』、って言う自動車会社を知ってる?」

藤が言った。

「えっ…?」

私は聞き返した。

その会社って日本を代表する自動車会社だけど…って、
「ええっ!?」

驚きのあまり、私はソファーから落ちそうになった。

でも、“不知火”なんて名字はその会社以外他に聞いたことがない。

「今は、蘭が社長をやってる。

あいつは長男の俺が跡を継ぐべきだって言ってるけど」

驚いている私に藤が言った。

「どうして、蘭さんが会社を経営しているんですか?」

そう質問した私に、
「蘭には両親がいるからだ。

さっき喫茶店で言った通り、俺は前妻の子供だから」

藤は息を吐いた。
< 150 / 270 >

この作品をシェア

pagetop