理想の男~Magic of Love~
「えっ?」

その呟きに聞き返した俺に、愛莉がキッと怒ったような視線を向けてきた。

愛莉の口が開いて、
「だってあいつ、私のことわかってないのよ?」
と、動き始めた。

「今日の送別会だって1週間?

いや、2週間前から結構口うるさく言ってたんだけど、絶対わかってないに決まってるわよ!

一流企業に勤めてんだか何だか知らないけど、優しい性格がムカつくのよ!

ウザいのよ!

迷惑なのよ!

私がエビ嫌いだってこと知らないくせに、何えらそうにしてんのって感じ!」

愛莉は酔っ払った勢いで、ベラベラと婚約者の悪口を言っていた。

俺が思っている愛莉のイメージが崩れて、幻滅するのが当たり前だろう。

だけど、
「――俺だったら、愛莉を幸せにできるのに」

俺の口からその言葉がこぼれた。
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