理想の男~Magic of Love~
それもごく自然に、当たり前と言うように。

「えっ?」

愛莉が驚いたと言うように声をあげた。

その姿も愛おしくて、思わず抱きしめた。

その直後で、ハッと我に返った。

何をやっているんだ、俺は。

愛莉は、結婚を控えているのに。

そんな彼女に、俺は一体何をしてるんだ。

慌てて躰を離したら、愛莉は寝息を立てて眠っていた。

愛莉の顔を見たとたん、俺は改めて思い知らされた。

愛莉のことが好きだ、と。

もう、重症だと思った。

この寝顔も、口から吐き出される酒臭い吐息も愛しいなんて…。

それに反応している俺は、もう重症だ。
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