理想の男~Magic of Love~
「愛莉が気づかなかったのは、仕方がない。

俺がもっと早く、愛莉にちゃんと自分の気持ちを伝えなかったんだから。

俺にだって、責任がある」

「藤…」

今度は私の方から彼の名前を呼んだ。

それに答えるように、藤は私の肩を抱き寄せた。

藤の手のぬくもりを肩で感じながら、
「私、藤が好きだよ。

婚約者よりも、ずっと一途な藤が」

自分の気持ちを藤に伝えた。

「俺も好きだ、愛莉」

藤が唇を重ねた。

柔らかく、温かい感触をそっと受け入れる。

触れるだけだった唇が離れた。
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