理想の男~Magic of Love~
唇が離れた後で、
「――藤…」

藤の名前を呟いた後で彼に向かって手を伸ばすと、その躰を抱きしめた。

確かめるように抱きしめた後で、
「――私、藤に抱いて欲しい…」

藤に言った。

「えっ?」

そう言った私に、藤が驚いた声を出した。

「好きな人と結ばれて、すごく嬉しいの。

もしかしたら、夢を見ているんじゃないかって思ってる。

目が覚めた時、全部夢だったらヤなの…」

声が震えて、泣きそうになっているのが自分でもよくわかった。

「愛莉…」

「勝手なことを言ってるのは、私が一番理解してる。

でも、藤が好きだから…」

泣きそうになっている私に答えるように、
「心臓が持たない」
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