理想の男~Magic of Love~
「魔法をかけて」

私は、呟くように言った。

「私がこの腕から逃げ出さないように、って。

私が藤から離れないように、って。

私に何度も魔法をかけて」

できれば、何があっても解けない魔法を藤にかけて欲しい。

「愛莉…。

好きだ、愛してる…」

そう言った藤の顔が近づいてきて、
「私も、愛してる…」

私は答えた。

そして、深く唇を重ねた。


寝室に行くと、2人でベッドのうえに腰を下ろした。

藤の大きな手が、私の頬をさわる。

ドキッ…

それだけのことなのに、私の心臓が反応して鳴った。

まるで、処女みたいな反応だ。
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