理想の男~Magic of Love~
中年のおばさんの大家さんは、
「小林さん、昨日どこに行ってたの?」

ツッコミを入れたその後で聞いてきた。

その質問に答えようとした私に、
「小林さんの部屋の前に男がいたんだけど、声をかけても全然答えてくれなくて」
と、大家さんが答えさせないと言うように早口でまくし立ててきた。

「男、ですか?」

そう言った私に、
「人がよさそうなタイプって、感じよ。

小林さんの部屋の前にいるから、小林さんの知り合いだと思って警察には電話しなかったけど…知り合いなの?」

大家さんが答えた。

その証言から、私は1人の人物を割り出した。

浩治である。

会うのは、ずいぶんと久しぶりだ。

「ありがとうございます」

私は大家さんにお礼を言うと、やってきたエレベーターに乗った。
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