理想の男~Magic of Love~
全くと言っていいほど、私の様子に気づいていない。

私がすごくイライラしていることに、浩治は気づいていない。

距離を置いて見て、反省したかと思ったけど、彼は変わっていなかった。

変わろうとした様子すらもない。

全然ダメだ。

反省もしていなければ、変わってもいない。

「何の用?

きたら警察を呼ぶって、言ったよね?」

低い声で、私は浩治に言った。

どうしてわからないのよ。

どうして気づいてないのよ。

「俺、愛莉と距離をとって見て、愛莉のことがすごく好きだってことがわかった」

不機嫌な私に気づいていないと言うように、浩治が言った。

バカなヤツと、心の中で呟いた。
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