理想の男~Magic of Love~
エレベーターは使わずに、階段を駆け下りた。

「きゃっ!」

駆け下りている途中で、自分の躰が傾いた。

足を踏み外したのだ。

ズデンッ!

そのまま下へと、真っ逆さまに転がり落ちた。

「――ッ…!」

躰を起こしたとたん、足に激痛が走った。

もしかしたら、ひねっちゃったかも知れない。

痛む足をひきずりながら、私はマンションを後にした。


その後は、もう自分でもよくわからなかった。

気がついたら、私は藤の部屋の前にいた。

足が熱を持って痛くて仕方がない。
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