理想の男~Magic of Love~
ぬぐい終わった後で藤はじっと私を見つめると、
「どうする?

何かあったことは、もうすでに気づいてるぜ」
と、脅すように言ってきた。

切れ長の目が恐ろしい。

顔立ちが端正な分、なおさら迫力がある。

こう言うのを“鬼気迫る”って言うんだろうな。

そんなことを思いながら、
「話をした方がいいですか?」

藤にそう聞いたら、
「そう聞くってことは、あったんだな?」

返事が返ってきた。

…おっしゃる通りです。

根負けした私は藤に話した…と言うよりも、白状した。

浩治のことと蘭さんのことを、全て藤に白状した。

「蘭のヤツ、またきやがったか…」

話が終わった後、藤はチッと舌打ちをした。
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