理想の男~Magic of Love~

「彼の方が長かったよ」

ちゅんちゅんと、すずめの鳴く声が聞こえる。

ああ、もう朝がきたみたいだ。

窓から入ってきた眩しい日差しに目を開けたら、
「おはよう」

バリトンの声と共に、唇が重なった。

触れるだけのそれはすぐに離れる。

「――おはよう…」

返したその声は、寝起きのせいで低かった。

藤は私があいさつを返したことに嬉しそうに笑って、
「病院行く前にシャワーでも浴びるか」

そう言ってフワリと私を抱えあげた。

ベッドの下に視線を向けると、散らばったお互いの服が昨日の夜のことを言っていた。

そう言えば…と、私はふと思った。
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