理想の男~Magic of Love~
その微笑みは、私の心を穏やかにさせてくれた。

藤の笑顔って、何だか癒やされる。

と言うよりも、藤といると落ち着く。

浩治の時は、そんなことなかった。

いつもイライラして、気が立ってばかりだった。

簡単に言うなら、いつも怒ってばかりだった。

「藤」

私が藤の名前を呼ぶと、
「んっ、どうした?」

藤は不思議そうに首を傾げた。

「何か魔法使った?」

続いて言った私の質問に、
「へっ?」

藤はマヌケな声を出して答えたのだった。

病院を出ると、
「段差があるから、足元に気をつけて」

藤と手を繋いで一緒に段差を降りた。
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