理想の男~Magic of Love~
病院の近くにあったパスタ店に入った。

「何を食べようか?」

藤の問いに、
「そうだなあ…」
と、私は考えた。

考えたその時、
「あれ?」

私はそこに見覚えのある顔を見つけた。

「愛莉?」

私の様子に気づいた藤が名前を呼んだ。

間違える訳がない。

婚約者である、彼の顔を。

当人の浩治はナポリタンを食べていた。

それだけなら、まだいい。

一緒に食べている人が男でも。

だけど彼の向かいに座って一緒に食べている人は、女だった。
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