理想の男~Magic of Love~
困ったように笑った彼に、
「んー、そうだね」

私もつられて笑った。

ミートソースもいいし、カルボナーラもいいし…あ、クリームチーズも捨てがたい。

迷っている私に、
「和風おろしも好きなんだよなあ」

額に手を当てると、藤は考え込んでしまった。

ああ、もう重症だ。

悩んでいるその顔も好きだと思うなんて…。

「愛莉?」

そう思ったとたん、自分の名前を呼ばれた。

思わず振り返ってしまった自分の条件反射のよさを恨んだ。

私の後ろに、浩治がいた。
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