理想の男~Magic of Love~
彼女もペコリと頭を下げた後、浩治の後を追った。

「――似合わないにも程があるよ…」

2人の後ろ姿を見送ると、私は呟いた。

そうか、って。

かっこつけるんじゃないよ、優男。

心の中で毒づいた私に、
「愛莉」

藤が名前を呼んだ。

「ごめん、お昼忘れてた」

そう言って笑おうとしたら、
「無理して笑うな、ウソは嫌いなんだろ?」

藤が言った。

私のことはお見通しだって言うことを忘れていた。

長い間の片思いの成果だ。
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