理想の男~Magic of Love~
その時、ベッドの隣の小さなテーブルに置いてあったスマートフォンが震えた。

「俺のだ…」

藤は呆れたと言うように息を吐くと、スマートフォンをとった。

「もしもし?

――ああ、蘭か…」

蘭さんから電話がきたみたいだ。

藤は蘭さんの話に相づちを打ちながら答えた後で、
「ちょうどいい。

今日の夜空いてるか?

話があるんだ」

電話越しに蘭さんにそう言った。

話?

私は首を傾げた。

藤は続けて、
「バイトは喫茶店だけ、20時に終わる。

…わかった、じゃ」

スマートフォンの電源を落とした。
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