理想の男~Magic of Love~
「本当は長男である兄貴が会社を継ぐべきなのに…」

つけくわえるようにそう言った蘭さんに、
「それだけか?」

第3者の声がした。

その声に視線を向けると、藤だった。

「愛莉、ドアのカギかけてなかったぞ」

藤に言われて、
「あ、ごめん…」

私は謝った。

藤は床のうえに腰を下ろした。

「話し相手ご苦労様」

藤は私に労いの言葉をかけた。

「あ、うん…」

私が首を縦に振ってうなずいて答えた後、藤は蘭さんと向きあった。

「夜遅くに悪かったな。

今日蘭を呼んだのは、決意したからなんだ」
と、藤が言った。
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