理想の男~Magic of Love~
そう言った藤に、
「決意?」

蘭さんが小さく呟くように、藤に聞き返した。

決意って、何をしたの?

初めて聞いた話に、私はそう言いたくなった。

藤は何を決めたの?

私は続きが気になって仕方がない。

私たち3人を沈黙が包み込んだ。

その沈黙を破るように、
「不知火を捨てる」

藤が言った。

その発言に、
「えっ?」

私と蘭さんの声が重なった。

「不知火を捨てるって…ちょっと、兄貴?」

訳がわからない顔をする蘭さんに藤は私を抱き寄せて、
「愛莉と結婚する」
と、言った。
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