理想の男~Magic of Love~
…えっ?

私は腕の中から藤を見た。

「ちょっと待ってよ。

愛莉さん、知ってたんですか?」

私に話しかけた蘭さんに、
「愛莉と呼んでいいのは俺だけだ」

藤がピシャリと言った。

「だって、名字を知らない…」

困ったように言った蘭さんに、
「小林だ」

藤が教えた。

「小林さん、知ってたんですか?」

そう私に聞いてきた蘭さんに
「いや、何も…」

私は首を横に振った。

私も初耳です。

「不知火を捨てるって、小林さんは納得するんですか!?」

藤に向かって叫ぶように言った蘭さんに、
「藤が決めたことです」

さえぎるように、私は言った。
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