理想の男~Magic of Love~
「婿養子になるって言うのか!?」

蘭さんが驚いたように言った。

「ああ、そうだ」

藤が返事をすると、蘭さんは信じられないと言うように頭を抱えた。

「ずっと思い続けてきた女を手放したくないんだ」

そんな蘭さんに、藤が諭すように言った。

「そのためにも、まずは不知火を捨てようと思った」

続けて言った藤に、
「小林さんのために、何もそこまでしなくても…」

蘭さんは困ったと言うように、呟くように返した。

「愛莉だからそこまでする必要があるんだ」

そう言った藤の、私を抱きしめている手が強くなった。

「俺は…愛莉が望むなら、他には何にもいらないと思ってる」

藤が言った。
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