理想の男~Magic of Love~
その言葉の続きを、私は待つ。

「愛莉が俺の腕の中にずっといてくれるなら」

腕はしっかりと私を抱きしめいて、
「全部捨ててもいい」

目は蘭さんを見て、はっきりと言った。

「そう思ってる」

藤が断言するように言った。

初めて藤と気持ちが通じあって、腕の中に包み込まれた時、私は言った。

私をこの腕の中にいさせて、閉じ込めて…と、気持ちが通じあうその時間を考える。

私は、短かった。

でも藤の方は、長い長い片思いだった。

3年――彼はこんなにも近いところで、私に恋をしていた。

そして、今も私に恋をしている。
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