理想の男~Magic of Love~
「不知火は、俺が守って行く」

そう言って、蘭さんは微笑んだ。

笑顔も藤に似てる。

血は繋がっていないけれど、2人はやっぱり兄弟なんだなと…私はそんなことを思った。

「だけど、俺が兄貴の味方だってことは覚えておいて欲しい。

血が半分しか繋がってなくても、兄貴は兄貴だから」

蘭さんが背中を見せると、リビングを出て行った。

私と藤は彼を玄関まで見送った。

蘭さんが自分の靴を履き終えると、
「小林さんとお幸せに。

結婚式には絶対に招待してくれよ?」

背中を私たちに見せたまま、そう言った。

そう言った後で、蘭さんは手を振ってドアを開けた。

バタンと、ドアが閉まる音が聞こえた。

「最後までかっこつけやがって…」

音が終わると、藤は呆れたように呟いた。
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