理想の男~Magic of Love~
私に視線を向けると、
「急に…しかも相談なく言って、すまなかった」

まずは、謝罪からだった。

「不知火を出ることは、以前からずっと考えてた。

愛莉が婚約者との関係にケジメをつけた時、俺も…って、急ぎの用でもないのに焦った」

切れ長の目が笑うことによって、クシャリとなった。

坊主憎けりゃ袈裟まで憎い?

いや、違う。

あばたもえくぼだ。

…って、何の話をしているんだか。

そんなことを思っている私は、本当に藤のことが好きなんだと思った。
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