理想の男~Magic of Love~
そのまま連れて行かれたのは、寝室のベッドのうえだった。

チュッ…

私をベッドのうえに下ろした後、藤は唇に触れるだけのキスをくれた。

「不意打ちで、全部好きは反則だろ?」

「――んっ…」

頬に、大好きな大きな手が触れる。

「そんなこと言われちゃ、どうしようもなくなる」

大きな手は、なでるように首へと下りて行って止まった。

「愛莉がいなくなったら…確実に死ぬな、俺」

他人事のように言う藤だけど、本当にそうなのかも知れないと思った。

私だって、藤がいなくなったら死んじゃうよ。

首のところで止まっている手をとると、その手にキスをした。
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