理想の男~Magic of Love~
「どれどれー?」

藤は鍋の中に右の小指を入れると、指先にチョコレートをつけた。

「…熱いよ?」

そう言った私だけど、藤はすでに小指を口の中に入れていた。

「うん、いいな」

藤はうんと首を縦に振ってうなずいて、今度は左の小指の先をチョコレートにつけた。

それを私の口元へ持って行くと、
「ほら」
と、言った。

えーっと、これはその…。

戸惑っている私に、
「んっ…」

藤は私の口の中に小指を入れた。

甘いチョコレートの味が口の中に広がる。
< 269 / 270 >

この作品をシェア

pagetop