理想の男~Magic of Love~
かわいそう…。

そう思うのは簡単だ。

でも私は、浩治じゃない!

あの子を助けてあげなきゃ!

そう思って隣のレジへ歩み寄ろうとした時だった。

「17歳…この生徒手帳って、君のものだよね?」

その声に、歩み寄ろうとしていた足が止まった。

寒さを感じたと言う訳じゃないのに、躰が震える。

店内は暖房が効いていて、暑いくらいだ。

「――どうして…」

呟いた声は、震えていた。

会わないって、思っていたのに…。

「ちょっ…何、見てんだよ!」

男が彼の手に持っていた生徒手帳を奪い返した。

「落ちていたから拾ってあげたのに、お礼も言わないんだな」

彼はやれやれと呟いた後、息を吐いた。

…どうして、ここにいるの?

「それに君が通っている学校って、この辺りでは有名のエリート校だよね?」
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