理想の男~Magic of Love~
胸を揉まれた瞬間、塞がれていた唇を思わず離した。

「――愛莉…」

バリトンボイスが、また私の名前を呼んだ。

唇が重なったその瞬間、今度は舌が入ってきた。

「――ふっ…」

気ままに口の中をなでる舌に、私の躰が震える。

骨張った指が胸の先に触れた。

「――んんっ…」

その指に弄ばれて、感じてしまう。

もうダメ…。

そう思った時、
「――ッ…」

重なっていた唇が離れた。

銀色の糸が、私たちの間を引いていた。
< 3 / 270 >

この作品をシェア

pagetop