理想の男~Magic of Love~
買った商品を店員の手から受け取りながら、チラッと藤の方に視線を向けた。

藤はお会計をしているところだった。

「4200円ちょうだいいたします」

ズボンのポケットから藤が革の長財布を出した。

あの財布、どこかのブランドものだよね?

そう思いながら、私は藤の後ろを通り過ぎた。

コンビニを出たけど、すぐには歩かなかった。

「ありがとうございましたー」

コンビニのドアが開いたのと同時に、藤が出てきた。

「あの…」

声をかけた私に、
「んっ?」

藤は視線を向けた。

「ありがとう、ございました」

お礼を言った私に、藤は不思議そうに首を傾げた。
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