理想の男~Magic of Love~
何故か、私たちの間に沈黙が流れた。

先に破ったのは、
「急いでるから」

藤の方からだった。

急いでる?

藤の手元に視線を向けると、袋が2つあった。

1つ目の袋には缶チューハイと缶ビール、ジュースとお茶が何本かが入っていた。

2つ目の袋にはおにぎりとサンドイッチ、お菓子がたくさん入っていた。

まるで遭難でもしに行くのかと思うくらいの量だ。

こんなに買って、一体どうするのだろうか?

何も言わない私に、藤が足を動かした。

「――あの…」

私はその後を追った。
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