理想の男~Magic of Love~
藤は切れ長の目を少し細めると、
「君は知らないことになってるから」
と、言った。

「――はっ…?」

藤が言っている意味がよくわからなかった。

知らないって、何を?

私は知らないって、何を知らないの?

言ってることがよくわからない。

そんな私に、
「君は知らない方がいい」

藤はもう1度言った。

「えっ…?」

何を?

藤は私から視線をそらした。

「――ちょっと…!」

そらされた私は訳がわからない。

何を隠してるの?

何で私は知らない方がいいの?

って言うか、知らないことになってるって…。
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