理想の男~Magic of Love~

「俺は終わったと思ってるから」

違う人であることを祈っていた。

心の底から願っていた。

なのに…今私の目の前にいるのは、彼だ。

私の理想そのもの男・藤だ。

どうして、あなたがここにいるの?

何の用事があっているの?

「じゃあ、一緒に手伝ってくれ」

藤が私の顔を見ると、一言そう言った。

今さら断れない。

首を縦に振ってうなずいてしまったから、断る言い訳がない。

「それ、持ってやるから」

そう言った藤に、コンビニで買ったばかりの夕飯の存在を思い出した。

「――お願いします…」

そう言った後、コンビニの袋を藤に渡した。
< 40 / 270 >

この作品をシェア

pagetop