理想の男~Magic of Love~
ピッピッピッ

パスタの温めが終わったみたいだ。

私は椅子から立ちあがると、パスタを取りに足を向かわせた。

「何かすごいですね」

パスタを手にまた椅子に座った私は藤に話しかけた。

「何が?」

藤が聞き返してきた。

「役者さんやったり、台本書いたりとか」

私が答えると、
「そんなことないよ、貧乏だからバイトも何件かかけ持ちをしなきゃいけないから大変だよ」
と、藤は笑いながら言った。

口では大変だと言っているけど、顔はどこか幸せそうだ。
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