理想の男~Magic of Love~
貧乏?

この前泊まった高級ホテルとか、どこかのブランドものの財布を持ってるのに?

矛盾していることに私は驚いた。

「ま、自分が選んだ道だからこれくらいのことは覚悟してたけど」

その後に藤にパスタ冷めるぞと言われて、温めたばかりのパスタの存在を思い出した。

袋からコンビニでもらったフォークを取り出すと、パスタを口に入れた。

そんな私に、フフッと藤が笑った。

「何ですか?」

笑われた意味がわからなくて、私は聞いた。

「ついてる」

自分の頬を指差すと、藤が言った。

彼に言われて頬に手を伸ばしたら、
「逆」
と、言われた。
< 47 / 270 >

この作品をシェア

pagetop