理想の男~Magic of Love~
そして、目の前の光景に驚いた。

頭痛なんて、もう忘れてしまった。

「――えっ…?」

見知らぬ景色に、私は首を動かした。

「ここは、どこ…?」

私が今いるところは、キングサイズのベッドのうえだった。

その下に敷いてあるシーツは、グシャグシャだ。

ベッドを囲むように、アンティーク製の家具や小物が並んでいる。

私、どうしちゃったの?

どうしてここにいるの?

昨日は確か…私の送別会で、かつて勤めていた文房具会社の仲間たちと飲んでいた。

…それから?

それからどうなったの?

すぐに思い出すことができなかった。
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