理想の男~Magic of Love~
“彼女”?

その言葉に、一瞬だけ藤の頬が引きつったような気がした。

彼女いるんだ…。

当たり前か、こんないい男を周りの女たちが放って置く訳がない。

「それで、結局どうなったんですか?

みんなも知りたがってますよ?

“笑顔が素敵な彼女”のこと!」

何も答えない藤に対し、眼鏡の男は好奇心丸出しだ。

その様子は、まるで芸能レポーターみたいだ。

「お姉さんも知りたいと思いませんか!?」

「えっ…」

私、巻き込まれた?

戸惑っている私とレポーター状態の眼鏡の男に、藤は呆れたと言うように息を吐いた。
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