理想の男~Magic of Love~

「あなたに愛想はないの」

――俺の3年分の片思いは報われたのかもな

藤の言葉が、私の頭の中を離れなかった。

いや、離してくれなかったと言った方が正しい。

3年分って、何のこと?

片思いって、何のこと?

そう言った藤の言葉が私の頭の中から離れない。

そう言った藤の言葉が私を離してくれない。


よく晴れた土曜日のことだった。

その晴れた空とは対照的に、私の心は憂うつだった。

それもそうだ。

「もうすぐだな」

車を運転している浩治が私に話しかけてきた。
< 62 / 270 >

この作品をシェア

pagetop