理想の男~Magic of Love~
母に聞かれて、私の心臓がドキッと鳴った。

いや、何で?

何でドキッと心臓が鳴ったんだ?

いかがわしいことなんて、何にもないはずなのに。

「――何にも、ないけど…?」

そう、浩治とは何にもない。

ケンカはと言うと、最近はめんどくさいからしていない。

「そう、ならいいわ」

母は返事すると、湯飲みに緑茶を注いだ。


「また遊びにきなさい」

帰る時、父と母が玄関で私たちを見送ってくれた。

「はい、ありがとうございます」

浩治はペコリと頭を下げると、玄関を後にした。
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