理想の男~Magic of Love~
もしそう言う事態になってしまったら、生理だからとウソをつこう。

もうずいぶん、浩治に抱かれていない。

そりゃ、そうだろう。

生理だとか体調不良だとかって言って、今まで交わしてきたからだ。

丸わかりなウソをつく私を浩治は気づいていない。

――バカな男

口で言う代わりに、心の中で呟いた。

「どこへ食べに行く?」

浩治が聞いてきた。

「何でもいいよ」

それに対し、私は作り笑いと言うおまけつきで答えた。

気づいてる?

浩治が何か聞くたびに、私がさっきのように答えていることを。
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