理想の男~Magic of Love~
取り出したのは、茶色の封筒だった。

中に何が入っているのかよくわからないけど、封筒は分厚かった。

藤はそれを蘭さんのお腹あたりに投げつけた。

バシッ

封筒は狙い通り、蘭さんのお腹に当たると地面に落ちた。

バサッと、封筒から何かが出てきた。

「――えっ…?」

封筒から出てきたその中身に、私は自分の目を疑った。

「ちょっと、大事にして欲しいんだけど」

蘭さんは仕方ないと言うようにかがむと、封筒を拾いあげた。

今出てきた封筒の中身って…?

私は信じられなかった。

福沢諭吉の残像が頭に残って仕方がない。
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