理想の男~Magic of Love~
封筒から出てきた枚数は1枚や2枚だったけど、まさか封筒の中に入っている全部がそうなの…?

私が蘭さんに視線を向けると、彼女は拾いあげた封筒をカバンの中にしまった。

彼女が封筒をカバンの中にしまったのを見送った後、
「俺が気づかないと思ったか」

藤が言った。

蘭さんはやれやれと言うように息を吐くと、
「頭よ過ぎて返す言葉がない」

そう言ってヒラヒラと手を振ると、私たちに背中を見せるとその場から立ち去って行った。

彼女の背中が見えなくなっても、私はそのままだった。

信じられないと言う気持ちで、胸がいっぱいだった。

どう言うことなの…?

何でお金なんかもらっていたの…?

もしかして、蘭さんが例の“彼女”なの?
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