理想の男~Magic of Love~
何よ!

何よ!

何よ!

ただひたすら、藤から逃げるために走った。

まだ続いていたんじゃない!

終わったとか、片思いとか言ってたくせに、本当はまだ続いていたんじゃない!

しかも、彼女に援助までしてもらっちゃって!

頭の中で、さっき藤に言えなかったことがグルグルと回っている。

こんなに全力で走ったのは、高校の体育祭以来かも知れない。

走ったせいで、胸がヒュウヒュウと言っていて苦しい。

呼吸をするのもつらくて、涙まで出てきた。

…涙?

どうして涙なんか出てきたの?

そうだ、そうだよ…。

久しぶりに走ったせいで苦しいから、泣いているんだ。
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