旦那様は見知らぬ方⁉
「これは3歳の頃ね、お姉ちゃんにいっつもくっついて同じ遊びしててちっとも男の子らしくなくてどうなるかと思ったわ」
アルバムを見せてもらって感じるのはたくさんの愛情。
たくさんの愛情に溢れた中で育ったんだなと少し羨ましく思う。
決して私も愛情を注がれずに育った訳ではない。
だけど、彼がとても羨ましく感じた…
「私ね、主人と結婚したの20歳でまだ何も世間を知らないまま家庭に入ったの」
「そうなんですか」
「だから世間知らずのまま母親になって、料理も上手くないし、子供たちに何かできることないかな〜って考えたの」
「はい」
「それで思いついたのがこれ、写真をたくさん撮ってアルバムで残して将来2人が結婚するときにお相手の人に見せてあげたりしようってね」
胸が痛い…
わたし、騙してていいのかな
「母さん、そろそろ美華のこと返してもらえる?」
「はいはい、美華さんのこと大好きなのね」
「悪い?」
「悪くないわよ、美華さん。玲空のことよろしくね」
「はい」
「じゃあ寄るところあるからそろそろ帰るな」
「え〜お夕飯食べていけばいいのに」
「美華のご飯が食べたいからいい」
「はいはい、また今度いらっしゃい」
「あぁ」
「はい」
「玄関まで見送るわ、行きましょう」