旦那様は見知らぬ方⁉
「ねぇ、奥さん夏目の娘なんですって」
「あの副社長もやるわね〜」
「政略結婚なのかしら?」
「そうだろ、顔で選んだか。まぁあの医者の息子に比べたら二枚目だしな」
「あの副社長って沢山女居るんじゃないの?」
「結婚したってどうせ上辺だけよ、愛人に走るのよ」
私達の結婚を妬む人は沢山、
夏目の娘じゃなければよかったのにと心底思う。
でも、夏目の娘じゃなければ彼と出会えてなった…
「奥さんは夏目薬品のお嬢さんなんだって?」
「…はい」
「いや〜副社長は将来有望だ、これからもよろしく頼むよ」
「…こちらこそ」
私が夏目の娘だからそんなこと言うんだ、
この結婚で夏目と手を組むと思っているんだろう…
「気にするな、あとは俺に任せて」
「うん…」
あれっ…目の前が…見えない…
身体の力が抜けて意識が遠のいていく…
「美華‼︎、おい、美華っ…」