旦那様は見知らぬ方⁉
「綺麗〜」
日が傾きはじめて、海が夕日で染まってきた。
砂浜をゆっくりと歩きながら夕日に染まる海を眺めているうちに自然と手を繋いでいた。
「こんな素敵なところ連れてきてくれてありがとう」
「いつも美味しいご飯を作ってくれて、俺の身の周りの世話をしてくれるお礼。こちらこそありがとう」
「ねえ」
「ん?」
「あのパーティの日なんで私のこと追いかけたの?」
何故だろう、何と無く今が思いを伝えるチャンスに感じた。
「気になった。それで佐伯にあの子はどこの娘だって聞いたんだ。それから気づいたら追いかけてた」
「そっか…」
「俺は本当にあの時惚れたよ」
「えっ?…だって嘘って…」
「ごめん、あの時は恥ずかしくて嘘だって言った。だけどこれが本心」