旦那様は見知らぬ方⁉
「……嬉しい」
「え?」
「やっと本心がわかった。やっぱり不安だった。私が夏目の娘だから結婚したのかなって」
美華はあの時と同じ瞳をして涙を流していた。
咄嗟に腕を引き、抱きしめた。
いつもなら抱きしめると一瞬戸惑った素振りを見せるが心が通じたのだろうか、
素直に俺の胸に顔を埋めた…。
「悪かった、最初からちゃんと言わなくて」
「ううん」
「美華、好きだ、愛してる」
「…ずっと胸に突っかかってたものが今分かった」
「ん?」
「好きだよ、私も愛してるよ」
「初恋は叶わないものって嘘なんだな」
「え?」
「いや、なんでもない」
「私達もう結婚して夫婦だけど、気持ちは恋人からはじめよ?」
「あぁ、そうだな」