旦那様は見知らぬ方⁉
彼女の後を追いパーティ会場を飛び出した。
廊下を曲がるとその先に見えるバルコニーに彼女はいた。
「寒くない?」
季節は12月そんなドレスじゃ寒いはず
「大丈夫です。カッとして体熱いからちょうどいい」
「風邪引いたらいけないから、これ羽織って」
「ありがとうございます」
「頬は大丈夫?」
「見てました?バカですよね、私も。素直にあの男と結婚するって言えば殴られなくて済んだのに。彼にもフラれて、父には騙されて母の代わりにパーティについて来いって言われて来たらこの有様。本当ツイてない」
「そっか…」
「ごめんなさい、こんな話見知らぬ方にして。私帰ります。上着ありがとうございました」
そう彼女は悲しい目をした笑顔を俺に向けて去って行った…
自分が守ってやりたいという思いが芽生えた。
不覚にも俺はその時の彼女の悲しい目をした笑顔に一目惚れしたのだ。
だが、気づくと彼女の姿はもうなかった…
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