【B】星のない夜 ~戻らない恋~
「怜皇さま……」
手紙をそっと封筒へと片付けて、
真っ直ぐに彼を見つめる。
「アイツらに負けずに、俺たちも歩き始めないといけないな」
そう言って私を抱き寄せた怜皇様に、
ゆっくりと顔を埋めた。
星のない世界に……少しずつ光が見えて……
ゆっくりと夜が明ける。
夜明けと共に、窓から差し込む朝日が
今までの醜かった私を全て浄化してくれる。
許してくれる……、
そして……もう一度背中を押してくれた気がした。
迷走し続けた長い長い夜がゆっくりと開けていく。