【B】星のない夜 ~戻らない恋~



「怜皇さま……」




手紙をそっと封筒へと片付けて、
真っ直ぐに彼を見つめる。



「アイツらに負けずに、俺たちも歩き始めないといけないな」



そう言って私を抱き寄せた怜皇様に、
ゆっくりと顔を埋めた。





星のない世界に……少しずつ光が見えて……
ゆっくりと夜が明ける。




夜明けと共に、窓から差し込む朝日が
今までの醜かった私を全て浄化してくれる。


許してくれる……、
そして……もう一度背中を押してくれた気がした。




迷走し続けた長い長い夜がゆっくりと開けていく。







  
< 230 / 232 >

この作品をシェア

pagetop