【B】星のない夜 ~戻らない恋~
どれだけ近くに居られるようになっても、
所詮、私は……大勢いる女性社員の一人でしかない事実。
どれだけ怜皇様の身近に存在したくても
その一線を越えられない存在。
雑誌だけの存在だった、
瑠璃の君と……今は少し離れた同じ部屋の中に
生息出来てるのに、
それだけでは満たされることのない思い。
家を出て行ったきり、一度も連絡のない咲空良。
怜皇様の視線の先には、
咲空良が存在する。
二人が笑いあいながら、
私の知らない時を過ごしているかと思うと
それだけで耐えられなかった。